研究テーマ概要

自己組織化ポルフィリンダイマーの分子動力学・量子化学シミュレーション

類似した化学構造を持つが異なる光学特性を示すポルフィリン会合体

水/エタノール混合溶媒中においてモノカルボン酸ポルフィリン(TPPCOOH)は明確な励起子分裂が生じますが、メトキシ化したモノカルボキシメチルポルフィリン(TPPCOOCH3)はブロードなピークのみが観測されます。励起子分裂は会合体の形成によって生じることは知られていますが、どのような会合体が形成しているかについては、明らかになっていません。特にわずかな化学構造の違いによって、明確に光学特性に違いが生じることは興味深いです。

分子動力学計算を用いたダイマーの安定化機構の解明

TPPCOOHとTPPCOOCH3が溶液中でどのようなダイマー構造を形成するかを明らかにすべく、水/エタノール溶液中に2分子配置し、分子動力学計算を行っています。得られたダイマー構造から安定化機構の違いについて検討しています。

量子化学計算を用いた励起子分裂機構の解明

光学特性は分子動力学計算では計算出来ず、量子化学計算の力が必要です。TPPCOOHのダイマー構造と光学特性の関係について、量子化学計算を用いた検討を行っています。

また分子動力学計算から得られた知見をもとに量子化学計算を行っており、2種類の計算手法をうまく織り交ぜながら研究を進めています。



図1 TPPCOOH(left)とTPPCOOCH3(right)

図2 (TPPCOOH)2の慣性半径Rgの時間変化