研究テーマ概要

生分解性オリゴマー水溶液の分子動力学シミュレーション

類似した化学構造を持つが異なる生分解性を示すオリゴマー

ポリ-D-3-ヒドロキシ酪酸 (PD3HB) は生分解性を有する代表的なバイオポリエステルですが、類似構造をもつポリ-D-乳酸 (PDLA) は生分解されにくいことが知られています。一方、近年、田口らは PD3HB の分解酵素 (PhaZVs) が、低重合度の DLA オリゴマーを効率的に分解可能であることを発見しました。[1] 構造の類似した PD3HB と PDLA が重合度に応じて異なる生分解性を示す点に興味が持たれますが、その要因は明らかとなっていません。([1] Sun, J.; Matsumoto, K.; Tabata, Y.; Kadoya, R.;Ooi, T.; Abe, H.; Taguchi, S. Appl. Microbiol. Biotechnol. 2017, 99, 9555-9563.)

計算機シミュレーションで重合度依存性の違いを明らかにする

PD3HB と PDLA が異なる生分解性を示す要因を明らかにすることを目的として、モデル酵素と酪酸オリゴマーおよび乳酸オリゴマーの複合体に水和を行った系を用意し、分子動力学シミュレーションを行っています。また、オリゴマー単体の水中でのコンフォメーションについても検討を行っています。